引きこもり解決へ2つのキーワード

『「堕落」のすすめ』と『スローワーク』だそうな。「北風と太陽」だな。孤立化し追いつめられている者をさらに追いつめても、事態は好転するどころか最悪の事態さえ招きかねないと。これはただの甘言ではなく、現場を知るひとの現実主義に根ざした試みのひとつだろうと思う。

岡田斗司夫×岸田秀の対談のなかで、岸田氏は近代を「のんびりしていた人々が頑張る連中に殺されていった時代」と表現している。いまも「のんびり」が「頑張る」にかならず負ける、という構造はなにも変わってない。

そういった状況だからこそ「働くと負けかな」という価値転倒をはかるニート君の発言が嘲笑とともにあれだけのインパクトをもって迎えられたのだろう。「頑張らない」と宣戦布告した瞬間、それはもう勝ち目のない負け戦なのだから。