2004-01-01から1年間の記事一覧

2004年私的ベストテン短評

おとついのつづき。 8位 誰も知らない(2004/日) 安易なカタルシスに頼らず、手を差し伸べられなかった社会を居丈高に告発するのでもなく、カメラが光源となって誰にも知られなかった子どもたちに日常を丹念に照らす。その手つき。その絶妙な距離感。誰も知ら…

2004年劇場鑑賞映画ベストテン

年末なのでそろそろ私的ベストテンでも決めてみよう。ちなみに今年劇場で観た映画は54本(id:yodaka:about参照)。 ジョゼと虎と魚たち(2003/日) 殺人の追憶(2003/韓国) 子猫をお願い(2001/韓国) マインド・ゲーム(2004/日) 下妻物語(2004/日) オアシス(2002…

シルミド ★★★★ 4.1

母から借りたDVDで『シルミド / SILMIDO』(2003/韓国)を観る。歴史的事実をベースにしながらも、観る者の感情を刺激するフィクションとしての映画的演出をこらし、女も男も“男泣き”できる見事な仕上がりだ。「アイドル役者は使わない」という監督の意図もあ…

エイリアンVS.プレデター ★★★ 2.9

東宝公楽にて『エイリアンVS.プレデター』(2004/米)を鑑賞。南極大陸の地下600メートルであのエイリアンとプレデターが激突。勝つのはどっちだ! 監督は『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソン。まずどうやってエイリアンとプレデターという地…

人生を麻雀でたとえる

//d.hatena.ne.jp/izumick/20041218">何故オタは麻雀で物事を色々とたとえようとしますか?:おもしろいなあ。野球なんかでたとえるより全然ツボにはまってしまう。それにしても自分の麻雀日記サイトはすでに1年半以上放置なわけだが、はてなの手軽さになじむ…

ニートに関する議論・考察

ニート(無業者)に関する考察メモ(切込隊長) 無業者(ニート)に関して(切込隊長) 世の中いろんな人がいるというのは頭では分かっているものの、彼らの抱えている問題や不安の正体は共通している。しかも、彼らは概ね空想で完結した社会を殻のように持…

フェミニズム本と男性性を考える為のメモ書き

斎藤美奈子さんが選ぶ21世紀の女と男を考える本 http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/jinbunyas1.htm 「くらやみのスキャナー」さんのおすすめフェミニズム本4冊 http://d.hatena.ne.jp/kataru2000/20041216#p2 中山元『思考の用語事典』P.220 「女性…

おすぎと筑紫の正月映画特集

ニュース23のお気に入りコーナー。筑紫さんの多事争論は生暖かく見てるけど、映画の選定はなかなかしぶくて良い。おすぎさんもヨイショしまくっている映画CMと違って、このコーナーでは自由に選んでる感じなのでけっこう信用してる。途中から見たのでこれが…

バッドサンタ ★★★☆ 3.6

ここは社会問題を考えるサイトじゃなくて映画雑記サイトです! と自分に言い聞かせつつ、京極弥生座にて『バッドサンタ』(2003/米=独)を鑑賞。コーエン兄弟が製作総指揮に携わり、青春モラトリアムの傑作『ゴーストワールド』を撮ったテリー・ズウィゴフが…

「保護」から「自立」へ 生活保護 母子加算見直しへ

生活保護をうける一人親世帯で、18歳未満の子どもがいると機械的に一律加算されていた母子加算費(月額2万20円〜2万3260円)を、自立や就労に必要な費用を考慮して支給条件や金額を決める方式に見直す報告案が厚生労働省でまとまった。その他では、原則70歳…

ジェンダーフリーの失敗

web

id:umeten:20041206経由。「ジェンダーフリー」なんて語義がつかみづらい和製英語を使って、保守派にかっこうのネタを提供したり、あらぬ誤解を受けるくらいならふつうに「男女平等」でよかったのに、ということかな。たしかにわかりにくいなジェンダーフリ…

非正社員問題の法と現実 韓国

非正社員は同じ仕事をしながらも正社員の給与の60%程度しか受け取っていない。もちろん不平等なことだ。しかしこのような便法でなんとか価格競争力を維持しているのが韓国経済の現実だ。

90万人の若者が路頭にさまよっている 韓国

「雇用なき成長」という産業構造の変化。景気の暗い見とおし。雇用の80%を占める中小企業と高学歴の大卒者との雇用のミスマッチ。

フリーター亡国論 講演をきく

『フリーター亡国論』の著者でUFJ総研エコノミストの丸山俊氏の「フリーター亡国論 - もう個人の問題では済まない」と題した講演会に足を運ぶ。フリーターの増加は個々の資質というより社会の構造的問題だというお話はおおむね納得したが、フリーター問題で…

火車 ★★★★★

宮部みゆき『火車』を読了。キャッシングローンによる多重債務の悲劇を題材にした社会派ミステリー。たいして小説を読んでいるわけではないが、自分のなかではベストの部類。借金が膨れあがり自己破産するような人間にたいする風当たりは強い。「金にだらし…

引きこもり解決へ2つのキーワード

web

『「堕落」のすすめ』と『スローワーク』だそうな。「北風と太陽」だな。孤立化し追いつめられている者をさらに追いつめても、事態は好転するどころか最悪の事態さえ招きかねないと。これはただの甘言ではなく、現場を知るひとの現実主義に根ざした試みのひ…

だめ連、ニート、男性性、スローライフ

思いつくままにリンクをいくつか。 //d.hatena.ne.jp/matuwa/20041206#p3">だめ連について:第三者による支援という形ではない自発的なたまり場としてのだめ連再考? 大都市という限定的形態。 //www5c.biglobe.ne.jp/~sugita/akane.htm">フリースペース・ム…

テラヤマアニ氏のドラクエ日記

web

ここ5年ほどゲームといえばウイニングイレブンしかやってなくて、ドラクエ8にはぜんぜん興味がわかなかったのだけれど、なんかちょっとやりたくなってきた。《みんなが一斉に同じゲームをやって、「どこまで進んだ?」「俺Lv12」「はじゃのつるぎもう取った…

澤井隆氏のハウル評

『ハウルの動く城』についてはそこそこ評価してるんだけど、自分の浅い知見じゃどうにもうまく言葉にできなくて、そのあたりを全部すっきり言語化してくれたハウル評に出会えてちょっとすっきりした。

ウクライナ売ります

web

不思議な、不思議な「アルメニア共和国」の管理人さんが、西側メディアでは「革命の女神」などと持ち上げられている野党指導者ティモシェンコ氏(写真)を辛辣批判。ウクライナの大統領選挙については事情がよくわからないのでコメントのしようがないが裏に…

科学する麻雀

ネット麻雀界の旗手とつげき東北氏*1の『科学する麻雀』ISBN:4061497650(「麻雀の数理学」は仮題らしい)が12月後半にいよいよ刊行される。何年も前の麻雀板では「ネット麻雀はリアル麻雀の実力の指標にもなるよ派」と「ネット麻雀なんて麻雀じゃないから麻…

ブログ界流行語大賞

web

ブログ版の流行語大賞を決めちゃおうという面白そうな企画。さっそく参加してみる。 1位「働いたら負けかな、と思っている」(発言者:ニート君) 2位「女は金についてくる」(発言者:ほりえもん) 3位「たかが選手」(発言者:ナベツネ) 特別賞「接点t」 …

文学賞メッタ斬り!と初めての舞城王太郎

大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』と舞城王太郎『煙か土か食い物 (講談社ノベルス)』を読了。『文学賞メッタ斬り!』は肩のこらない対談形式で業界の裏話をはさみながらさまざまな文学賞を批評。小説ジャンルを網羅的に紹介してくれるので、小説にうと…

ソウ SAW(2004/米) ★★★ 3.0

みなみ会館にて『ソウ SAW』を鑑賞。『CUBE』meets『セブン』という謳い文句のとおり、目新しさはないがさまざまな猟奇スリラーのエッセンスをうまく組み合せてテンポ良く仕上げている。人間の狂気の深い部分をえぐり出しているかといえばそうでもなく、ゲー…

内へむかう暴力

昨日は『血と骨』を『ゴッドファーザー』に比肩するかのごとく書いたが、まあちと持ち上げすぎな気もする。まあいいか。ところで映画『血と骨』はほぼ在日コリアン内部の描写にとどまっており、なぜ金俊平があれほど金に固執するのか、暴力がなぜ内へ内へと…

コウノトリ!

なんと亀岡には絶滅危惧種のコウノトリが飛来するのです。日本産の野生コウノトリはすでに絶滅。いま日本で見られる個体は大陸からの迷い鳥らしい。超レア。

はだかの起原

著者が本書で言いたかったこと、それは「最適者生存」概念を打ち砕くことであった。結局のところ「自然淘汰」による「最適者生存」は、「完全な人間」という虚構をでっちあげることであった。著者は人類の裸は適応的形質でもなんでもない、むしろ不利益を補…

血と骨 ★★★★☆ 4.4

MOVIX京都にて『血と骨』(2004/日)を鑑賞。冒頭、済洲島から海を渡り、君が代丸から新天地大阪を一望する若き金俊平の姿を『ゴッドファーザー PART II 』でシチリア島からアメリカへやってきたときのイタリア移民の姿とダブらせて観ていた。移民が新天地で“…

消費行為の境界線

自分がブログでやってることは広い意味での創作活動か、と問われればぜんぜん違うだろうなと最近おもう。どちらかと言えば消費行動なんだろう。より精確に言えば、消費をうながす増幅装置の役割を担っている、ということ。シネスケのほうがより顕著だが、た…

いま、会いにゆきます ★★★★ 4.1

京都スカラ座にて『いま、会いにゆきます』(2004/日)を鑑賞。テレビドラマ「ビューティフルライフ」「GOOD LUCK!!」「オレンジデイズ」などを手がけた土井裕泰初監督作。感動モノの定型化された方程式というものがあるとするならば、この作品はその方程式の…