懐かしむ

近所でちいさな女の子たちがきゃーきゃー騒ぎながら自転車で走り回っている夕方。ケータイ代が引き落とされる銀行口座にお金を入れ、病院に向かう。もうかなり落ち着いていて、顕著な気分的な落ち込みもほとんどなくなった。具体的に出社日が決まったことで、ここまで遊民としてふらふらしてきた自分の全細胞が沸き立ち「働きたくねー」とさわぐ身体を抑えるのが一苦労。つらかった失業時代をなつかしく思うあたり、人間とはなんと首尾一貫していないものかとつくづく身に染みる。「働くことは自己実現だ」と父は言っていたけれど、実現したい自己なんてとくにないんだから困ったものだ。