温泉にて

彼女と近場の温泉に行った。露天風呂であの時あーすればよかったとか、こーすればよかったのか、とあれこれ思い出と共に湯にひたりながら、ひとりぼーっと考え込んでしまう。そんな状態なのに、世間体も気にせずに彼女は「今」の自分をまじめに考えてくれる。感謝とともにもうしわけない気持ちにもなった。過去を吹っ切れずにいる。もう決して戻ることのない過去が頭から離れない。忘れさせてほしい。そう願うのはわがままだろうか。

帰りに石田衣良『スローグッドバイ』を買う。山本文緒しかり、けっこう恋愛小説買ってるなあ。フィクションとしての恋愛は好きだし、現実の恋愛だってフィクションとどれほどの違いがあるのだろうかと思うと少し気が楽にもなる。

スローグッドバイ (集英社文庫)

スローグッドバイ (集英社文庫)