おじいちゃんに戦争体験を聞く

入院六日目。絶食も六日目。ああこってりしたラーメンが食べたい……。昨日は同室の肺気腫を患っている86歳のおじいちゃんからその生涯を熱心に聞き出していた。満州北部のソ連との国境ぞいで、4年近く関東軍に在籍していたころの経験談はとても面白かった。

「日本人は元来なまけ者で根は勤勉やない」とか、軍に入隊して最初の一年は生き地獄だとか(その後は手の抜き方がわかり楽になる)、冬は極寒でマイナス40度から50度の世界。かと思うと夏は無茶苦茶暑くて、蚊の大群に襲われて首すじが変形するくらい腫れたりと大変だったらしい。

戦後はニューギニアで戦死した兄の嫁になるはずだった女性と結婚。当時、戦死した兄の嫁候補と結婚するはめになった弟というケースは珍しくなかったそう。で、なぜかどこもかしこも家庭円満。年上女房のほうがうまくいくのだろうか?

おじいちゃんは何度も「戦争だけはやったらあかん」とくりかえし言っていた。