ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

映画の日。MOVIX京都で『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を鑑賞。ロンのむねに顔をうずめるハーマイオニーを後ろからいたわるハリー。14、5歳の彼らは、もうたんなる子供ではなく、そこはかとなく男性性・女性性の萌芽をかんじるわけだが、もちろんそういった部分は隠匿されているわけで、ゲスなおとなとしては、そろそろそういったところにギャップをかんじてしまう。こどもの成長は早い。

ハーマイオニー演じるエマ・ワトソンの生まれた1990年といえば、イラククウェートに侵攻した年。あのころサダム・フセインは意気軒昂だった。東西ドイツが統一され、ポジティブな意味合いでボーダーレスという言葉が流行った。やってきたのはボーダーレスなテロだった。その年の紅白といえば「おどるポンポコリン」、そして忍者がうたう「お祭り忍者」。お祭り忍者(!)

過度に彩られた現在は、色があせる過去において、その滑稽さをあらわにする。映画? まあ、あんなもんじゃないの。原作の縛りがつよいなかで、及第点ぎりぎりの仕事はできていると思う。★★★