たまゆらの女 (2002/中国) ★★★★

yodaka2004-09-29

ビデオで『たまゆらの女 [DVD]』をみる。ベトナム国境ちかくの街にすむ陶器の絵付け師の女(コン・リー)は、とおく重慶にすむ詩人の男(レオン・カーファイ)と恋におちる。週2回、男がすむ街へ汽車で片道10時間かけて通う女の恋模様を描く。

監督のスン・チョウは前作『きれいなおかあさん [DVD]』★★★★☆で、聴覚障害のひとり息子を育てるシングルマザーを、拝金主義と貧富の格差がひろがる北京を舞台にリアルに表現したが、今回は一変して詩を基調にした幻想と現実を行き交うコテコテのアート系映画に仕上げている。物語の整合性や娯楽性をもとめる人にはまずオススメしないが、これはこれでとてもよかった。

なにがよかったかときかれると答えにくいのだが、中国大陸の古都や車窓からの風景、コン・リーの服装から佇まい。書庫を仮住まいとする男。とにかくなにからなにまでその空気感が好みだったとしか言いようがない。