はだかの起原

著者が本書で言いたかったこと、それは「最適者生存」概念を打ち砕くことであった。結局のところ「自然淘汰」による「最適者生存」は、「完全な人間」という虚構をでっちあげることであった。著者は人類の裸は適応的形質でもなんでもない、むしろ不利益を補う偶然が重なったために、結果として例外的に成功を収めることになったという。人類は不完全で不適者であったからこそ生き延びることができた。「裸に利点はない。しかし、裸化した人間が成功した理由は、裸化にある」。

へえ、おもしろい仮説だな。