危機管理の徹底とは要するに「やるならよそでやってくれ」ということ

危機管理の陥穽(内田樹の研究室)
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「学校の危機管理体制が不十分だったから事件が起きた」という言い方は正確を欠くのではないかと私は思っている。正確には、「学校の危機管理体制が不十分だったから学校敷地内で事件が起きた」のである。
それは言い換えれば、「学校の危機管理体制が十分だった場合は、学校敷地外で事件が起きただろう」ということである。

大阪の小学校での教職員殺傷事件についてのエントリー。授業以外の課外活動のないフランスの学校との比較から、日本の風土を考えると学校の機能を制限することは危険要因を学校外に押し出すだけで、根本的な対策にはならないのではないかというお話。

自分はちょっと考えが違う。そうやって勉強以外のことまで丸抱えしている学校が機能不全に陥っているというか、対処し切れなくなっていることが問題で、学校以外に子供が集えるなんらかの新たな空間が必要であるように思う。学校の機能を縮小し職員の負担を軽減させ、社会全体のなかで機能分化させたほうがいい。子供にとっても学校以外に居場所がないというのは非常にリスキーだ。じゃあ、その受け皿は? そう問われるとなかなかいいアイデアが浮かばないのが苦しいところなのだが。