ミニスカートとエロティシズム

yodaka2005-04-17

街中を歩いていると、つい若い女性のミニスカート姿に目をうばわれる。じっと見ていれば変質者あつかいされるので、無関心をよそおいつつちらっと目をやる。もっと見たいが見られない。ここに強い葛藤がうまれる。

以前、ワタナベ先生がバタイユの『禁止が欲望を生む』という言葉を引用して、「がまんすればするほど欲望が高まる」という欲望のメカニズムの一端を説明した。たとえば不倫や浮気はその行為そのものではなく、禁止を踏みこえるときに快楽がクライマックスに達するという。

道の往来で女性のミニスカート姿をじろじろと見るという行為は、犯罪ではないものの社会道徳に照らし合わせるとやはり禁止されるべき行為として多くの人の意識に共有されている。ミニスカートを見るという行為には禁止を踏みこえたときの快楽がふくまれている。

また、ミニスカートは「見えそうで見えないパンティ」という構造を作り出す。ジーンズのように完全に衣服に覆われて見ることが不可能というわけでもなく、パンツ一丁のようにどこからでも見ることができるわけでもない。「いつでも手に入るモノ」でもなく「まったく手に入らないモノ」でもない。つまりミニスカートという構造がパンティの希少性を高める役割を果たしているのである。ミニスカートによる「パンティのブランド化」と言い換えてもよい。

なぜあれほどにミニスカートが気になるのか? それは単純な女性の肉体に対する欲情だけでは説明できない。そこには「禁止による欲望の高まり」と「パンティのブランド化」という心理的な仕掛けが作用しているのである。