バイバイ

京都駅のエスカレーター。母親に前から抱きかかえられている小さな女の子が後ろの僕をじっと見つめていた。笑ってそっとブイサインを出すと、その子ははにかんで母親の胸に顔をうずめた。すぐにまたこちらを見るから同じことを繰り返すと嬉しそうにまた母親の胸に隠れる。エスカレーターをのぼり切るとその子はバイバイと手を振っている。なんだか嬉しくなってこちらもバイバイと小さく手を振った。