バタフライ・エフェクト ★★★★ 4.0

MOVIX京都にて『バタフライ・エフェクト』(2004/米)を鑑賞。こういった「巻き戻し」と「再生」を繰り返す話は目新しいものではない。連想する類似映画は人それぞれだろうが、自分は『恋はデジャ・ブ 』(1993/米)を思い出した(機会があればぜひ観てほしい)。ストーリーがトリッキーであればあるほど物語構造の「目新しさ」に評価が向きがちになるものだが、そういう部分を差し引いても、出来はよく最初から最後まで飽きさせない。役者たちの演じ分けもメイクの力もあるだろうが秀逸。主演のアシュトン・カッチャージョシュ・ハートネットばりのスウィートな男前。スクリーン映えするなあ。

映画を鑑賞すること自体、「虚構」にひたる行為なわけだが、その「虚構」の中の「現実とされる事象」が、次々と「虚構」と化し、新たな「現実」を生み出していくという重層的なパターンに身を委ねていると、何か不思議な感覚が身体をつつむ。それはリアルとバーチャルの区別がつかなくなる、といったたぐいのことではないのだが、例えば昨今のドキュメンタリー映画の流行における現実と虚構の線引きの難しさ、といった事態と関連する。が、このあたりはなかなか明確に言語化できず、我ながらもどかしい。