中高年者と仕事

施設で働いていた父の元同僚の話を聞いた。父より年下で団塊の世代。ぼくが超劣等生だった中学生のころ(中二でアルファベットが最後まで言えなかった)家庭教師を割安で引き受けてくれた人だ。おかげで高校にも進学できた。職場では有能な人だったが退職。再就職は叶わず、塾経営をはじめるも失敗。いまは警備員。現場は京都の最南端から福井県まで広範囲にわたる。京都の口丹地方から通うのは大変だろう。ときどき父がお金を貸しているようだ。

他にも父の行きつけの喫茶店のマスターも店をたたんで警備員をしている。警備の仕事はもちろん立ちっぱなし。用を足すタイミングが一苦労らしく、同僚と連絡を取り合いながら交代でトイレに行く。腰痛持ちの自分には難しい仕事だ。街中で警備の仕事をしている人を見かけるといつもえらいなあと思う。

父の友人で数万円の年金では食べていくことができず、クリーニング店を高齢になっても営んでいる人がいる。よしみで離れた店からわざわざ洗濯物を自宅まで引き取りに来てくれる。日焼けして黄ばんだシャツをきれいにしてもらった。とてもていねいな仕事をしてくれる。

近所にはリタイア後、悠々自適に暮らしている人もいるが、高齢になっても働かないと食べていけない人もたくさんいる。こういう話を聞くと若年層のフリーターの将来のことを考えてしまう。