超新星

ゴロゴロとなついてくる仔猫を胸の上に置きながら、森博嗣少し変わった子あります』を読み終えた。毎夜、主人公と同じように孤独を楽しげに味わいながら、毎回違った女の子たちとの交流をじっくり楽しんでいた。それは心地よい読書感だった。僕は幸福で精神的に安定していた。

ふいにラストに強い不安と深い闇を心の中に見つけた気がした。いや、気がしたというようなものではない。恐怖した。すぐさま薬を飲んでベッドに逃げ込んだ。今年一杯は仕事はしないと決め込んで、ネットの世界にどっぷりと浸かっていたのが、そのことに不安は感じなかった。しかし、ふいにパソコンに向かって文字を追い、動画を見ている自分をもうひとりの自分が後ろから見ている情景が浮かんだ。

モニターに映し出される光景は実際には平面で、しかし奥深い原始林の中に足を踏み入れるようなものだ。そこに生成されるサイト(居場所)は宇宙に突如として現れる超新星だ。

超新星と聞くと新しい星が誕生し今まで無かった所に非常に明るく輝いて出現すると想像される方がいらっしゃるでしょう。実は全くその逆で、今まで存在していた恒星がその寿命を終え、最後にその銀河全体の明るさにも匹敵するほどの大規模な爆発で明るく輝いて見える現象です。超新星は新しく生まれた星ではなく死を迎えた星の最後の姿なのです。http://www.tam.ne.jp/aoki/pages/aboutnova.html

何がそんなに僕を恐怖に落とし込むのだろう。