日本語なるほど塾

旅先で見知らぬ人に気軽に声をかけられますか?

どこぞの外国人のように「ハーイ」とはいかない。日本語は敬語*1が発達しているため、相手との関係がわからないと話しかけにくい言語だという話があった。おなじく敬語が発達している韓国の場合などは、初対面はもちろんのこと年齢がひとつでも上ならちゃんと敬語をつかうらしい。

現在の日本はそこまで目上目下の関係を気にしなくなっているぶん、相手との親しさの度合いによって敬語を使い分ける場面がふえている。だからはじめは敬語を使っていた者同士が、徐々にタメ口を混ぜ、やがて完全に対等な言葉づかいになるという状況が頻出する。タテ関係にヨコ関係の距離感が加わるという臨機応変なふるまいを要求される状況は、人づきあいがにがてな人にとってはなかなか悩ましい事態かもしれない。

そういえば「友達がほしいけどできない」という人に、いつまでたっても敬語でしゃべるタイプが多い。ヨコ関係のつめ方が苦手なんだろう。タメ口を混ぜるという会話のモードチェンジは、相手に斬り込む行為であり、ビクついているといつまでたっても関係性はかわらない。

*1:尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種