フェミニズム本と男性性を考える為のメモ書き
- 斎藤美奈子さんが選ぶ21世紀の女と男を考える本
- http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/jinbunyas1.htm
- 「くらやみのスキャナー」さんのおすすめフェミニズム本4冊
- http://d.hatena.ne.jp/kataru2000/20041216#p2
中山元『思考の用語事典』P.220 「女性性」より。古代ギリシアの哲学は男性の哲学で、女性は「できそこないの男」だった。フランス革命の人間平等の「人間」の概念にどうも女性は含まれていなかったらしく、男性性=人間性と考える傾向があった。
でも本質的な女性性ってあるんだろうか? フロイトはないという。ぼくもないと思う。だれもが他者との関係のなかで男性になり、女性になるんだ。これはもちろん生物学的な性差のことじゃない。個人の生活史の問題というか、社会的に文化的に形成された制度としての<性>だ。ジェンダーともいうね。
同著P.223より。
デリダは西洋の形而上学がそもそも男性性の刻印をおびていると、はっきりいうんだ。なのに西洋の哲学ではこの男性性がきちんと認識されないまま、人間(男)という中性的な概念で展開されてきた。ここにはフロイトが指摘したような神経症の症状がある。つまり哲学は、自分が男の哲学なのを無意識にみとめながらも、それを無視しようとする。
女を通じて男のより所を考えてみたい。いまはそんなかんじ。
- 作者: 中山元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/05
- メディア: 単行本
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