2004年私的ベストテン短評その3

嗅覚障害に陥った正月もやはり淡々と。

2位 殺人の追憶(2003/韓国)

明るい田園風景に突如として現れる暗部。地方の社会構造の変化のなかで突如として浮き上がる狂気。日常に溶け込んだ見えざる狂気。この重厚さ。この陰鬱さ。鳥肌が立った。

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3位 子猫をお願い(2001/韓国)

机を並べた学生の頃から少しずつ生き方にズレが生じるハタチの肖像。少女達のみずみずしい息吹。大都市と郊外都市の対比を、彼女たちの関係になぞらえて捉えた青春群像にかかせない時代の空気。2001年「韓国女性がえらんだ今年最高の韓国映画」で『猟奇的な彼女』をおさえて堂々1位。

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4位 マインド・ゲーム(2004/日)

とにかく動く動く。死があるからこそ輝く生の躍動感を、はちきれそうなアニメーションで縦横無尽に表現したその突き抜けた魅力にみる、生きていることへの最大限の喝采と祝福。

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