Mr.インクレディブル ★★★★ 3.9

yodaka2005-01-07

MOVIX京都にて『Mr.インクレディブル』(2004/米)を吹替版で鑑賞。客層の9割が親子連れで、予告映画もアニメばかりという今までにない状況。彼女と一緒でなかったらかなり居心地が悪かっただろう。

本編は、CGアニメーションの技術もここまできたかという感慨がわくほどにすばらしいものがあった。デフォルメされた人間の表情にこれほどの体温を感じるとは思わなかった。能力を隠しつつ社会に順応しようとするお父さんやお母さんの苦心する姿のなかには非常に大人向けな描写もあって、親と子双方が楽しめる内容となっている。

「1960年代にイメージされた近未来」を舞台にしているため、どことなくレトロ感が漂う世界観。それは「男は仕事。女は家庭を守る」という近代家族像の王道という形でインクレディブル一家にも現れる。完成度の高さから高評価はするものの、そういった家族像にはビタ一文感動できないタイプだし、スーパー・ヒーローという味付けはあるもの、その破綻のない“理想的”な家族像には物語としてさほど面白みは感じなかった。