隣人13号 ★★★★ 4.0

MOVIX京都にて『隣人13号』(2004/日)を鑑賞。全編にただよう静的な緊張感と死を予感させる暴力。にじむ汗。終盤の学校でのふたりの対峙、その一切の「間」を省略しない長回しは秀逸だった。ラストシーンはぞくっとさせるものがある。初監督作でこの落ち着きにはおどろかされた。主人格と狂暴な別人格の相克、いじめの復讐劇という題材そのものに目新しさはないが見せ方がじつに巧い。中村獅童の怪演をはじめとして適材適所のキャスティングも光る。

週末だというのに観客はまばら。映画の質と比較するともったいない話だ。