終戦のローレライと満員電車

電車内で『終戦のローレライ』を三巻まで読み終えた。『亡国のイージス』もそうだけど、「あるべき日本の姿」「日本人の在り方」といったものをカチカチッとした筆致で輪郭を作り上げていく。角田光代の輪郭のはっきりしない微妙な日常性の感覚とは対極にあるけれど、これはこれでおもしろい。

帰りの満員電車で立ち読みしていたら、しおりがハラッと落ち、前に座っていた女性がそのしおりをそっと拾い上げてくれた。何気ないことだけど、腰痛持ちで満員電車では殺伐としがちな気持ちがすっとほぐれた。

今日は最近気がかりなことが取りこし苦労だったことがわかって正直ほっとした。しかしまあ今後のこととか自分に足りないものと面と向かうことで、何かしら得られた感覚は大事にしたい。