ホテル・ルワンダ ★★★☆ 3.5

みなみ会館で『ホテル・ルワンダ』(2004/伊=英=南ア)を鑑賞。席は8割から9割がうまり盛況。比較的年配の方が多い。物語構造はたしかにゾンビ映画の『ドーン・オブ・ザ・デッド』にそっくりで、1年前の町山氏の論評(id:TomoMachi:20050226)にも納得。

作品自体はオーソドックスでストーリー重視。“個人として特定される登場人物が主人公となって、自分の目的(自発的に欲する願いもあれば課せられた困難の場合もある)を成就あるいは克服するために能動的に活動し、その達成によって結末を迎える 「現代映画作家を知る17の方法」”だ。これはハリウッド派がストーリーを何よりも重視するその特徴を説明した部分だが、これは『ホテル・ルワンダ』の手法にもあてはまる。ストーリーテリングでまず飽きさせない。

欲を言えば、虐殺に加担した民兵たちを共感不可能なゾンビとして描くだけでなく、あのルワンダの状況にもし自分が置かれたとして、一瞬でもあのナタをふるう民兵が“ありえたかもしれない自分”として感じ、居心地のわるい思いをさせるような“煮え切らない”演出があれば、とも思ったが事が事だけに難しいか。ひとりのホテルマンの英雄譚としては面白いが、扱ったモチーフを考えるとややストレートで口当たりがよすぎるようにも感じた。