米大学乱射事件について思うこと

チョ・スンヒ容疑者を擁護する気はまったくないが、この記事から推測すると、学校での孤立、彼に対するいじめやからかいがあったようだ。

僕は中学校と高校の一時期に、いじめの対象になったことがある。この世代にとっては社会といえば学校そのものしかない。親にも友人にも相談することができず、ひとり深刻に悩んでいた。

とことん心理的に追いつめられて、自分で出した結論はいじめる側の人間を殺す、といったものだった。何度も殺人計画を頭の中でシュミレーションしたり、高校にメリケンサックを持っていったこともある。メリケンサックを手にはめて相手の顔面をなぐれば、そうとうなダメージをあたえられるだろう。しかしそういった日に限っていじめられない。計画は頓挫した。

やがていじめられることもなく卒業をむかえた。数年後、高校の同窓会があり、僕をいじめていた彼も参加していた。高校のころとちがって、彼は非常に低姿勢で「今日は呼んでくれてありがとう!」と満面の笑みで握手を求められた。もう苦笑するしかなかった。

学校を卒業して、初めて学校以外の社会が存在することが認識できた。あの頃の自分がそれを認識できていれば、あそこまで深刻に悩むこともなかっただろう。いま中学・高校時代をふりかえると、そんないじめ体験も笑い話のひとつでしかない。