2004年私的ベストテン短評

年が明けても淡々と。

5位 下妻物語(2004/日)

美のスタイルを追求する孤高の乙女。自分なるものの輪郭を際立たせるせるためのスタイルの確立にみる強靭でアイロニカルな精神性とその先の友。閉じた世界と開いた世界の魅力を併せ持った2004年エンタメ部門ナンバー1。

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6位 オアシス(2002/韓国)

異形の愛を見据えたときの、どうしようもなく生じる不快感に否応なく向き合わされてほとほとまいってしまった。偏見による人間性の否定は、誰にとっても他人事ではないのだが、「偏見を排して理解する」は難事であり、痛みそのものなのだ。

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7位 血と骨(2004/日)

特異点として存在した金俊平には感情移入できるところはないのだが、だからこそその理解を超えた“強い父”に翻弄される脇役が光る。金俊平の一生を描くことで、優れた群像劇がまた一方でたち上がってくる。崔洋一渾身の職人芸。