スーパーサイズ・ミー ★★★★ 3.7

yodaka2005-01-15

京都シネマにて『スーパーサイズ・ミー』(2004/米)を鑑賞。ファーストフード好きとしては身にしみる。高校生のころは週一回かならずマクドナルドで、ハンバーガー・ビッグマック・フライドポテト・マックシェイクを食べて、だいたい食後におなかをこわしていたがやめられなかった。中毒だねえ。劇中では、週一でファーストフードを利用する人をヘビーユーザー、週3〜4回利用するひとをスーパーヘビーユーザーと紹介していた。

学校のなかにまでジャンクフードが溢れていたのは印象的だった。劇中では、活発にロビー活動をするファーストフード業界の政治的影響力の強さにも言及する。『ファーストフードが世界を食いつくす』によると、アメリカ人は年間で350ミリリットル缶600本に相当する量の清涼飲料水を摂取している。成人市場はすでに頭打ちで、販促の中心は子どもに移っている。たとえば8歳児は、その前途に65年間の購買活動が期待されるので企業にとっては理想的な存在だ。

著者のEric Schlosserは同書で、ファーストフード産業はアメリカ資本主義の最良の面と最悪の面を同時に体現していると言う。前者はたゆまぬ技術革新と新製品の開発。後者は貧富の拡大だ。

低賃金の非熟練労働力にたよるファーストフード・チェーンは民間最大の雇用先だが、およそ350万人のファーストフード就業者は、ほかをはるかに引き離してアメリカ最大の最低賃金労働者集団となっている。彼らより確実に時給がひくいのは渡りの農場労働者だけだ。彼らは「第二の栄養失調」である肥満に貢献するファーストフードの提供者であると同時に消費の担い手でもある。

ファストフードが世界を食いつくす

ファストフードが世界を食いつくす