ニートのドキュメント番組

NNNドキュメント’05で『ニート〜 働けない若者の憂うつ 〜』というドキュメント番組が放送されたらしい。これを見たフリーターの知人は「まず結論ありきで製作されたのではないか。作為を感じて腹が立った」とのこと。自分は未見で何とも言えないので当番組に言及しているブログをいくつか集めてみた。

印象としてどうもかなりピントのずれた内容だった模様。親から仕送りをしてもらいながら演劇活動をする女性はそもそもニートではない。見た人の感想としては「甘えるな」「むかつく」といったものが目立つ。まあこんな内容じゃそれもしょうがないよな。ニートと名付けられた「働きたくても働けない」若年無業者の問題は、深刻化する若年雇用状況と、若者自身の実存的な葛藤とが密接にむすびついているわけだが、これをただの「怠け」として個人の問題に矮小化させ道徳的な非難を誘発させるメディアの手法はあまり実りがないように思う。初期のひきこもり批判に見られた典型例がニートにスライドしただけだなこれは。

(関連リンク)イベントルポ :「社会的ひきこもり」市民講座
http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20050313#p4

引用部分はニートという言葉を広めた玄田有史氏によるニートの説明とのこと。

「働く気がないというより、働こうという意識が強すぎてかえって働けなくなっている」
「仕事を探すところまでいっていない、働くことに希望が持てない人たち」
「『自分は社会に必要とされていない』と考えている人たち」
「ひきこもりではないニートもいる」 
「『ニートゆとり教育のせい』という声もあるが、『なぜニートが増えているか?』という質問には、なるだけ『わからない』と答えることにしている」