サイドウェイに見るモテ要素 ★★★☆ 3.7

サイドウェイ』(2004/米=ハンガリー)をレンタルDVDにて鑑賞。妻に離婚され孤独のなか出版のアテのない小説を書いている薄毛でデブの中年国語教師マイルスが、友人である女たらしの俳優ジャックの独身最後の旅行につきあうことに。旅先でマイルスは美人のウェイトレスと出会い、徐々に惹かれていく。

マイルスは無類のワイン好きで、劇中にワインのうんちくがこれでもかというほどにちりばめられる。ハンサムで異性に積極的で自由奔放な友人ジャックと、ワインオタクで別れた妻への未練が捨て切れずにウジウジしているマイルス。モテ/非モテコントラストがほほえましい。

マイルスのようなタイプの男がどうやったら意中の女性に選んでもらえるのか。そのモテ要素は、オタク的なせまくて深い見識と小説を創作できるような知性や感性。そして誠実さ。並べてみると結局外面じゃなくて内面で勝負、みたいなわりと平凡なものが劇中で提示されるわけだが、そのへんの料理のしかたが巧いので楽しく観れる。ワインのように味わい深い映画だ。僕はワインは好きじゃないけど。