パンチラ

行きの電車内で小説を読んでいると、上はノースリーブ、下はひざ上30センチ以上はあるであろう超ミニのデニムスカートをはいた長身の女性が途中の駅から乗ってきて、僕の向かいの座席に座った。髪はロングのストレート。日本人ばなれしたすらっとした流線型の長い脚にちらり目をやると黒いパンティが丸見えだった。瞬間的に、いや本能的条件反射によって小説を読むスピードが一気に落ちる。

彼女はまるで意に介さずファッション雑誌(Scawaii!だったと思う)に視線を落としている。黒のパンティはクールだが性的刺激はあまり喚起されないな、などと考えながら動揺をおさえ小説を読むスピードを徐々に元にもどしていく。京都駅に着くと乗り換えのホームも一緒で、彼女を見たジャージ姿の女子中学生たちが「脚ながーい!」と騒いでいた。ただ歩いているだけで他人に動揺をあたえることができるというのはひとつの才能だ。