知的複眼思考法

苅谷剛彦知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+α文庫)』を読んだ。常識にとらわれずに、受け取った情報を多角的にとらえて考えるための方法を説いた指南書。初版が10年前の1996年で、2002年に単行本化されていまだに書店に並んでいるんだから息が長い。

さまざまな方法論が書かれているのだが、全部はおぼえきれないし、重要と思われる部分を2点だけメモっておこう。自分なりの解釈をうながす「問いの立て方」について。

著者が知らず知らずのうちに文章に忍び込ませている前提は何か。暗黙のうちに伝えようとしているメッセージは何か。著者が直接書かずに与えている印象と、実際に書いていることがらとを区別して読み取ることが大切です。意見の表明なのか、それとも事実を書いているだけなのか、著者の主観を交えて書いているのか、それとも一応「客観的」な立場に立って書いているのか。(P.97)

「著者の前提を探り出し、それを疑う」が1点目。

2点目は「問いのブレイクダウン」について。最初の大きな問いを複数の小さな問いに分けて、それぞれの問いに答えることによって最初の問いへの解答を導く方法。

たとえば、「どうしたらよい企画書が書けるのか」と思っているだけでは、その答えはすぐには見つかりません。なぜなら、この問いのかたちのままでは、「どうしたらいいのか」を具体的に考えていく筋道が出てこないからです。こんな場合、「どうしたらよい企画書が書けるのか」を出発点に、「そもそも、よい企画書とは、誰にとってよいのか」「どんな判断基準でよいのか」「説得力の点か」「わかりやすさか」「アイデアのよさか」。いや「そもそも、よいアイデアとは何か」「おもしろさか」「有効性か」「実現可能性か」などと、最初の漠然とした問いにどう答えていくのか、それぞれの答えが、どのように関係しあって、出発点の問いへの解答になるのかを考えていくのです。(P.180)

問いを分割して、関連する問いを展開し、考えを誘発する問いを得る、が2点目。

前提を探り、問いを分け、考えを導く。試しにこの本の前提を探ろうと思ったが、めんどくさくなったので鵜呑みにすることにした。ぜんぜんだめじゃん。