嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生』(2006/日)を観て中谷美紀の変顔に泣かされた。我ながらほんと人の不幸が好きすぎる。今じゃ皆が共有できるような人生の幸福のかたちってのはなかなか見つからないなかで、問答無用の不幸のかたちってまだまだ健在だし、松子を前にしたら圧倒されひざまずくしかない。

ハイテンポの笑いが効いているとはいえ、やはり救いのない話のはずなんだけど、甥っ子が松子のむくわれない人生を追体験することで、大げさに言えば松子の魂が浄化されたと感じさせるからなんだろうか。

中島哲也監督。『下妻物語』ほどの作品を撮ったあとに、さらにそれを上回る映画を作り上げてくるとは思ってもみなかった。なんなんだこの人は。