途中下車

家に閉じこもっていたらまた死にたくなる。まだバイトの面接結果待ちだが、職安に行こうと決める。小雨がふるなか電車にのったが、途中で嫌気がさして目的地を変えた。映画館にいったがとくに見たい作品はなかったのでトイレだけ借りる。鏡には老いを隠せない冴えない三十路男がうつっている。鏡は好きじゃない。

カフェでたばこを吸いながらメールを打つ。本屋で山本文緒『眠れるラプンツェル』を買って家路についた。ケータイの受信メールボックスがいっぱいになったので、電車のホームに立ちながら古いメールからすこしずつ消していく。前の彼女とうまくいっていた頃のメールが大量に残っていて、切ない気持ちをおさえながら全部消した。

眠れるラプンツェル (角川文庫)

眠れるラプンツェル (角川文庫)