外の世界の複雑さ

コンビニでコーヒーとドーナツを持ってレジに行き、店員さんに「キャビンマイルドお願いします」と言うと、とうぜん僕が指定したたばこの銘柄を選んで出してくれるわけで、そのあとクリーニング店に行ってレシートを渡すと、やっぱり昨日あずけたバイト先の制服を選んで出してきてくれる。

そんな何気ない働く人の動作をこまかく観察していると、自分にはとてもできないような高度なことをしれっとこなしているように見えて、自分の無能力さかげんに心の中でためいきをつくのだった。これがうつから来るたんなる悲観的観測なのか、ほんとうに単なる無能力なのかよくわからないけれど、外の世界は自分を落ち込ませるのに十分な複雑さを備えているように思う。