ETV特集 21世紀のドストエフスキー テロルの時代を読み解く
入院中かつ流し見していたので、正確性にはかなり欠きますが、興味を持ったのでメモ書き。
『カラマーゾフの兄弟』。とくに長兄のドミートリィの多面性に焦点が当てられていた。装丁もかなりポップな新訳書のカラマーゾフの翻訳者が森達也や金原ひとみなどと対談。
ロシア人と日本人の共通性は、物事の本質に限りなく近づきたいという欲求。
森氏が使っていた「多声性」というキーワード。
森氏が語る911テロには、クライシスに対するワクワク感があったのではないか。これは人間の欲望と罪深さが関連。他者の痛みへの不感。
自爆テロなどのテロリズムの自己犠牲を、イスラムからではなく19世紀のロシアから読み解くべき。→『悪霊』を読むべき。
虚偽と真実のニ面性(メディア)←19世紀にすでにドストエフスキーがたどり着いた視点。
『罪と罰』のラスコールニコフが見た自己の超越性。自分の運命を自分のみが掌握できるという全能感。
新しい人間に変わるドミートリィ→生きたいという欲求。善と悪とのあいだで揺らぐドミートリィ。
金原ひとみ。「何かを信じたい」という気持ちは昔も今の若者も変わっていない。現代の若者はそれを恋愛に求める。まったく支配のない人間関係はない。
ドストエフスキーの信仰の対象は、生命そのものだったのではないか。