高学歴ワーキングプア

末は博士か大臣か──「『博士』がキラキラと輝いていた時代が、たしかにあったのだ」。水月昭道さんは著書の中で、しみじみと記す。

実際の「平成の博士」はどうか。大学院を修了しても「2人に1人」は定職に就けず、「フリーター博士」は1万2千人以上。専任教員を夢見ながら、非常勤講師やコンビニ店員、肉体労働で食いつなぐ。中にはパチプロに転じたり、ひきこもりになったり、心を病んだり──そんな実態を同じ非正規雇用の「人間環境学博士」の目で、悲惨な実例を豊富に交えながら赤裸々に描いた。

「優秀な若い人たちが私の周りから次々と消えていく。みんな大学に残りたいから声を上げられない。だれかが問題を提起しないといけないと思ったんです」
朝日新聞 - 2007年11月11日(日) - 10版 - 読書「著者に会いたい」より

実際に大学で非常勤講師をされている方と知り合い、私が引きこもり・ニート支援のNPOスタッフ時代(2005年4月-2006年3月)に、NPOで講師役として何人かの方に協力して頂いた事があるんですが、話を聞くとまさにワーキングプアと言って過言ではない状況が進んでいるようです。

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

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