恩田陸『ユージニア』と機本伸司『神様のパズル』

恩田陸『ユージニア』と機本伸司『神様のパズル』を読了。

『ユージニア』は数十年まえに起こった毒物大量殺人事件を、インタビュー形式と関係者の過去の記憶から掘り起こして、相互にずれる主観から多角的に事件そのものがなんであったか、からまった糸をほぐしていく過程が描かれる。なかなかいじわるな物語というか、いつもの恩田陸というか、からまった糸をあえてほぐさないあたり好き嫌いが別れるかもしれない。★★★

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

『神様のパズル』は天才少女が宇宙はつくれるのか、おちこぼれ大学生とタッグを組んで、その未踏の立証に迫ろうとするハードSF。素粒子物理学などの専門用語が乱れ飛んでいるが、けっして読みづらいということはなくテンポがいい。★★★

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)