自己言及の罠

社会思想史を学ぶ人のために」P.299の「自己言及の罠」の章より。

例として、あるべき <私> という課題を担わされている「自己実現」(self-realization)の問題を取り上げてみよう。「本当の私」を得るには、「今の私」が否定されなければならない。しかし、「今の私」を否定するには、「今の私」が確定されなければならない。ここから奇妙な結果が出てくる。「本当の私」を得たという確かな確証を得るには、「今の私」が肯定されると同時に否定されなければならないということである。つまり、 <私> に対して、「〜であれ!」と「〜であってはならない!」が、同時に命令されるのである。

ややこしいなあ。