ひきこもるという心性の中の積極性について

静けさとは、すなわち「無関係さ」の蓄積であって、数々の影響を丹念に一つずつ遮断してようやく最後に得られる「孤立」である。そこに自分だけが残るからこそ、静けさを感じることができる。それが私の安定を支えるメカニズムといっても良く、つまり、この安定によって、社会に定着しているのだから、遮断によって関係性を保持する、いかにも矛盾したシステムといわざるをえない。いずれにしても、無関係であることに価値を求める理由を、まったく論理的に説明できないのである。(P.101)

静けさを、孤独を求めることを嗜好する、ということを考える。それにしてもこの小説はおもしろい。

少し変わった子あります

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