映画

ゆったり休養を

猫はカレンダーのなかにしかいない。ちょっと寂しく、ゆったり休養を。次のコーディングまでに間がある。晩にゲオで『間宮兄弟』(2006/日)と『ブロークバック・マウンテン』(2005/米)を借りる。先に『間宮兄弟』を。おかしみと切なさとが混じりあう。心地の…

鉄コン筋クリートの感想

シネフェスタにて『鉄コン筋クリート』(2006/日)をセンセイとカーリさんの三人で鑑賞。どうしたんだろう。『パプリカ』を観たときと似たような乗り切れなさは。両作品とも今の日本のアニメーションの最高峰の技術が表現されている。最大限の評価をしたってい…

シネスケ新規コメテ登録開始

おお、シネスケがコメンテーターの新規登録を開始しているではないか。招待制とか。今まで自分が一番最後の登録者だったから、2002年9月16日以来の登録再開となる。長い新人時代だったなあ。

硫黄島からの手紙

TOHOシネマズ二条にて『硫黄島からの手紙』(2006/米)を鑑賞。なかなかよかった。『父親たちの星条旗』は上回る出来じゃないだろうか。戦闘機の機銃掃射とか手榴弾での自決シーンとか迫真だなあ。一番良かったのは捕虜になった米兵の息子へあてた母からの手紙…

パプリカ

みなみ会館にて『パプリカ』(2006/日)を鑑賞。まあまあかなあ。夢の世界の映像美は大したもの。昨日今日と外出できたので、うつの状態はよくなってきているのかもしれない。

今年公開映画ベスト3

クラッシュ(2005/米) 嫌われ松子の一生(2006/日) かもめ食堂(2005/日) そういや今年はうつのせいで劇場で20本も観ていない。その中から選ぶのもの何だかなという気はするけれど、良かったと思えた3本はこれ。クラッシュ [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2…

トゥモロー・ワールド

トゥモロー・ワールド(2006/米)を観た。ジュリアン・ムーアの使い方がぜいたくだなあとか終盤の長回しがすごいなあとか思ったけれど、いまひとつ乗り切れず。不法移民だのテロだの現代的テーマを近未来に舞台を置き換えて重厚にみせているが、なにかこうワク…

父親たちの星条旗をみた

クリント・イーストウッド監督作『父親たちの星条旗』を観た。んー、まずまずかな。英雄に祭り上げられた兵士たちが戦時プロパガンダとして利用されていく姿を冷徹に見据える視線が新鮮。日本側から描いた『硫黄島からの手紙』の予告が最後に流れるんだけれ…

結局見れずじまい

韓国映画でオススメは? と問われたらキム・ギドクの作品を挙げたいところだが、一般受けも考えると『殺人の追憶』ということになるだろうか。その『殺人の追憶』の監督作『グエムル-漢江の怪物-』はカフェ・オパールの店長さんは絶賛だし、シネスケ(今落ち…

ユナイテッド93

ふたりで『ユナイテッド93』(2006/仏=英=米)を鑑賞。ラストショットからエンドロールの暗転に身じろぎもできずに身体が硬直した。映画から何かしらのメッセージを感想としてつむぎ出すことに懐疑的にならざるを得ないこの絶妙の距離感はなんだろうか。観て…

春夏秋冬そして春

ここ数日寝込んでいる。過去への執着を捨てきれずまるで死んだような日々。そんななかで見たキム・ギドクの『春夏秋冬そして春』(2003/独=韓国)。見終わって、手を合わせて拝んだ映画は初めてだ。映画に救われたわけではない。でもそこに自らの俗世での苦し…

東京湾景

そういえばガイ・リッチーの作品はひとつも見たことがなかった。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998/英)と『スナッチ』(2000/英=米)あたりをおさえておけばいいのだろうか。『カラマーゾフの兄弟』がどうにも肌にあわないので、吉…

ゆれる

思春期を引きずったようなあの過剰な対人不安はいったいいつ頃消えたのだろうかと、卒論の題材としてインタビューを受け、自分のひきこもり体験を語るなかで思いを巡らせた。すこしずつ試行錯誤するなかで薄皮をめくるように恐怖に似た感情が薄まったとはい…

ミッション・インポッシブル

なぜ『M:I:III』(2006/米)を観ているのだろうか。連れが『ゆれる』(2006/日)がおもしろかったというから京都シネマに上映1時間前におもむいたのだが、その場でチケットを買わずにラーメン食べたり喫茶店でくつろいで、上映直前に劇場に戻ったのが失敗だった…

時をかける少女

気晴らしに『時をかける少女』を観にテアトル梅田へ。上映2時間ちかく前にチケット取りに行ったのにもう立ち見しか残ってないと言われたので、しかたなく次回のチケットを取る。ええい、けっこう人気じゃないか。みんな『ゲド戦記』でも観てればいいのに。上…

京都人ではない

京都市民ではなく府民であり、かつ京都というブランドにシンパシーはなく、やはり丹波の国の民であるという意識が、京都サンガを地元クラブと言い切ることにやや迷いを生じさせるのだが、さりとてここは京の奥座敷。日本代表よりローカルなプロチームのほう…

空中庭園

『空中庭園』(2005/日)を見た。表向きは隠し事のないオープンな家族を演じながら、それぞれが誰にも言えない隠し事を持っている。しあわせな家族という枠のなかではどのように振る舞っても自由だけど、その枠外に一歩でも逸脱してしまうとすべてがブラックボ…

嫌われ松子の一生

『嫌われ松子の一生』(2006/日)を観て中谷美紀の変顔に泣かされた。我ながらほんと人の不幸が好きすぎる。今じゃ皆が共有できるような人生の幸福のかたちってのはなかなか見つからないなかで、問答無用の不幸のかたちってまだまだ健在だし、松子を前にしたら…

宮崎駿による黒澤明『生きる』の映画評

著書『出発点―1979~1996』のなかでの、黒澤明『生きる [DVD]』(1952/日)に関する宮崎駿の映画評。この映画は名シーンがいくつもあるが、宮崎駿が注目したのは導入部のシークエンスで、主人公である市民課の課長(志村喬)が、役所で黙々と書類に判を押すこの…

Vフォー・ヴェンデッタ

そういえば先週末に『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005/英=独)を観たんだった。印象のうすい映画だったなあ。「第三次世界大戦」なんて古くさい言葉を聞いたのは久しぶり。冷戦構造が崩壊して久しく経つこの時代にこの設定はどうにもリアリティを感じない。…

かもめ食堂が語りかけるもの

京都シネマにて『かもめ食堂』を鑑賞。すーっと肩の力がぬけて口もとがゆるんだ。料理がほんとにおいしそう。ヘルシンキの街角にたったひとりで食堂をオープンさせたサチエ(小林聡美)には気負いがない。何事かを背負いこんで日本をとびだしたミドリ(片桐…

エミリー・ローズ

TOHOシネマズ二条にて『エミリー・ローズ』(2005/米)を鑑賞。最後まで飽きることもなく楽しめた。実話に基づく悪魔祓いの映画化といえば、当時B級というホラー映画の常識をくつがえした『エクソシスト』(1973/米)と重なるが、『エミリー・ローズ』は法廷劇が…

フランス映画祭で一本観てみた

TOHOシネマズ高槻で開催されているフランス映画祭のなかの1本『イン・ヒズ・ハンド』(2005/仏)を鑑賞。保険会社に勤める人妻(イザベル・カレ)が顧客の獣医(ブノワ・ポールヴールド)と親密になっていくのだが、独身の若い女性ばかり狙う連続殺人事件が…

フランス映画祭2006

http://www.unifrance.jp/festival/ 明日からフランス映画祭2006。会場がお台場と六本木ヒルズだけだったらなんの関心もないところだったが、今回は近場の大阪高槻でも開催されるということで、せっかくだからひとつやふたつは観ておきたい。

リンダリンダリンダの煮え切らなさ

TSUTAYAで『リンダリンダリンダ』(2005/日)を借りて見た。山下敦弘監督の作品は『リアリズムの宿』(2003/日)と『くりいむレモン』(2004/日)に続いて3作目の鑑賞。『リアリズムの宿』でこの監督は追っかけなければと決めて、『くりいむレモン』のあまりの中途…

マルホランド・ドライブを映画館で

みなみ会館で『マルホランド・ドライブ』(2001/米)を鑑賞。花粉症のせいか目がかゆい。目薬を買って本番のレイトショーにそなえる。観客は30人くらいだろうか。映画はビデオで二度ほど見ていたがやはり映画館で観ることができてよかった。相変わらずわけはわ…

イノセント・ボイス ★★★★☆ 4.4

京都シネマで『イノセント・ボイス 12歳の戦場』(2004/メキシコ)を鑑賞。1980年、エルサルバドルにおける政府軍と反政府ゲリラの12年にわたる内戦のはざまに置かれた街を舞台に、少年チャバの運命を描いた作品。原作・脚本を担当したオスカー・トレスの体験…

ホテル・ルワンダ ★★★☆ 3.5

みなみ会館で『ホテル・ルワンダ』(2004/伊=英=南ア)を鑑賞。席は8割から9割がうまり盛況。比較的年配の方が多い。物語構造はたしかにゾンビ映画の『ドーン・オブ・ザ・デッド』にそっくりで、1年前の町山氏の論評(id:TomoMachi:20050226)にも納得。作品…

映画メモ マルホランド・ドライブを劇場で観たい

京都文化博物館で上映していた『雨月物語』(1953/日)は結局見逃してしまった。残念。『ホテル・ルワンダ』は観た人から仕事先で薦められたので明日にでも観たい。なんでも上映後に拍手が沸き起こったらしい。日本の映画館でそういう場面に出くわすことはめっ…

ミュンヘン

公開直後に梅田の劇場で観た『ミュンヘン』(2005/米)について今さらだけど、オランダの美人殺し屋にモサドが報復するシークエンスはエロとバイオレンスが渾然一体となっていて、スピルバーグの変態ぶりが発揮されていて凄味があった。『シンドラーのリスト』…